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金のなる木の挿し木と水栽培!失敗しない増やし方とコツ

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多肉植物
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こんにちは。観葉植物疑問ナビ、運営者の「Yuta」です。

「一攫千金」や「富」といった縁起の良い花言葉を持ち、ぷっくりとした肉厚な葉が可愛らしい金のなる木。丈夫で初心者向きと言われることが多い植物ですが、ご自宅で育てていると「もっと株を増やしてみたい」「おしゃれな水栽培(水耕栽培)でキッチンに飾りたい」と思うことはありませんか?

でも、いざ挿し木をしようとすると、「どの時期に切ればいいの?」「水栽培って根腐れしそうで怖い」といった疑問や不安がたくさん出てきますよね。実は、金のなる木は多肉植物の中でも特に生命力が強く、ちょっとしたコツさえ掴めば、誰でも簡単に増やすことができるんです。例えば、ペットボトルを使った「密閉挿し」という裏技や、根腐れしてしまった時の「オキシドール」を使った復活術など、知っておくと便利なテクニックがたくさんあります。

この記事では、私が実際に試して効果を感じた方法を中心に、金のなる木を挿し木や水栽培で元気に育てるためのポイントを、失敗例も交えながら分かりやすく解説します。

  • 挿し木に最適な時期と、発根率を劇的に上げる枝の切り方や乾燥テクニック
  • ペットボトルなどの身近な道具を使って、発根を促進させる具体的な方法
  • 水栽培で最も多い失敗「根腐れ」を防ぐための水位管理と、もしもの時のオキシドール活用術
  • 水耕栽培から土への植え替えを成功させるための、根を慣らす「順化」のプロセス
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  1. 金のなる木を挿し木や水栽培で増やす前の基礎知識
    1. 成功率を上げる挿し木の時期と枝の切り方
      1. 良い挿し穂(さしほ)の選び方
      2. 切り方の手順とポイント
    2. 根腐れを防ぐための乾燥期間と発根のサイン
      1. なぜ「乾燥」が必要なのか?
      2. 発根のサインを見逃さない
    3. ペットボトルを使った密閉挿しで発根を促進
      1. 簡易温室(密閉挿し容器)の作り方
    4. 葉挿しで増やす方法と失敗しないコツ
      1. 葉挿しの手順
      2. 水やりは必要?
    5. 水挿しで簡単に発根させる手順と水位の目安
      1. 最適な「水位」とは?
      2. 水管理と発根促進
  2. 金のなる木の挿し木から水栽培への移行と管理
    1. ハイドロカルチャーへ植え替える際の用土選び
      1. おすすめの培地
      2. 根腐れ防止剤の活用
      3. 植え付けのポイントと水位
    2. 根腐れした時のオキシドールを使った復活術
      1. オキシドール処置の具体的な手順
    3. 水栽培での肥料の与え方と液肥の頻度
      1. 専用肥料を使う理由
      2. 頻度とタイミング
    4. 土への植え替え時期と環境に慣らす順化方法
      1. 水根と土根の違い
      2. 順化(じゅんか)のプロセス
    5. 室内で徒長させずに健康に育てる置き場所
      1. 1. 理想的な置き場所の条件
      2. 季節ごとの光の微調整
      3. 2. 「屈光性」を防ぐローテーション管理
      4. 3. 日光が確保できない場合の対策
    6. 金のなる木を挿し木や水栽培で長く楽しむ秘訣
      1. 植物からのサインを見逃さない「観察眼」
      2. 「待つこと」も大切な世話の一つ

金のなる木を挿し木や水栽培で増やす前の基礎知識

「よし、増やそう!」と思い立ったその時が、必ずしもベストなタイミングとは限りません。植物にはそれぞれ成長のリズムがあり、そのリズムに合わせた作業を行うことが成功への近道です。まずは、金のなる木が元気に根を出し、新しい環境に適応するための基本的なルールと、準備すべき道具について押さえておきましょう。ここでは、成功率を格段に高めるための基礎知識を深掘りして解説します。

成功率を上げる挿し木の時期と枝の切り方

挿し木を成功させる最大の鍵、それはずばり「時期(タイミング)」です。金のなる木は、春と秋に活発に成長し、真夏と真冬には成長が緩慢になるサイクルを持っています。そのため、植物の細胞分裂が最も活発になる「4月~6月」または「9月~10月上旬」に行うのがベストです。

この時期は気温が20℃~25℃程度で安定しており、植物にとって最もストレスが少ない環境です。逆に、30℃を超える真夏の猛暑日や、10℃を下回る真冬に行ってしまうと、発根する体力が残っておらず、根が出る前に茎が腐ったり枯れたりしてしまうリスクが非常に高くなるので避けたほうが無難です。

良い挿し穂(さしほ)の選び方

次に、挿し木に使う枝(挿し穂)の選び方です。ひょろひょろと徒長した弱い枝ではなく、葉の色が濃く、茎がしっかりとした元気なものを選びましょう。具体的には、新芽がついている若い枝や、前年に伸びて少し木質化した充実した枝(2年目の枝)がおすすめです。長さは扱いやすい5cm~15cm程度でカットします。

金のなる木の挿し穂の準備。新鮮な切り口と、数日間乾燥させてカルスが形成された切り口の比較。

切り方の手順とポイント

  1. 道具の準備: 清潔なハサミやカッターを用意します。雑菌が入ると切り口から腐る原因になるので、使用前にアルコール消毒や熱湯消毒をしておくと安心です。
  2. カット: 枝をスパッと切ります。切れ味の悪いハサミで押しつぶすように切ると、組織が壊れて腐りやすくなります。
  3. 葉の調整: 下の方(土や水に浸かる部分)についている葉を取り除き、上の方の葉を3~4枚だけ残します。葉が多いと水分蒸散が激しくなりすぎてしまい、逆に葉がないと光合成ができず発根エネルギーが不足するため、このバランスが重要です。

取り除いた葉は捨てずに「葉挿し」に使えば、そこからまた新しい芽が出てきます。捨てるところがないのも金のなる木の魅力ですね。

根腐れを防ぐための乾燥期間と発根のサイン

ここが挿し木において最も重要なプロセスであり、多くの初心者が陥りやすい「失敗の落とし穴」でもあります。切り取った枝を、すぐに水や土に挿してはいけません。切りたての断面は、人間で言えば怪我をして出血している状態と同じ。無防備な生乾きのままだと、そこから土壌細菌や水中の雑菌が侵入し、あっという間に組織を破壊して腐らせてしまうからです。

なぜ「乾燥」が必要なのか?

ではどうするかというと、風通しの良い日陰で4日~7日ほどしっかり乾燥させるのです。「そんなに放置して枯れないの?」と不安になるかもしれませんが、大丈夫です。金のなる木は多肉植物なので、茎や葉に水分をたっぷりと蓄えています。1週間程度水がなくても枯れることはありません。

この乾燥期間中に、切り口の細胞が修復され、「カルス」と呼ばれるカサブタのような組織が形成されます。切り口が白く乾き、キュッと収縮して硬くなったら、それが「バリア機能」が完成した合図です。この状態になって初めて、菌の侵入を防ぎながら発根の準備が整うのです。

発根のサインを見逃さない

乾燥期間が終わったら、いよいよ水や土に挿します。しばらくすると、植物に変化が現れます。新芽の中心が少し動き出したり、シワっぽかった葉にパンとしたハリが戻ってきたりしたら、それは見えない土の中で根が出始めた(吸水を開始した)サインです。水栽培の場合は、透明な容器を使えば白い根がチョロチョロと出てくるのが目に見えるので、毎日の観察がとても楽しくなりますよ。

ペットボトルを使った密閉挿しで発根を促進

「どうしても失敗したくない」「できるだけ早く根を出させたい」という方におすすめなのが、空きのペットボトルを使った「密閉挿し」というテクニックです。これは簡易的な温室を作り出す方法で、挿し木にとって理想的な環境を人工的に作り出します。

挿し木が失敗する原因の一つに、根が出る前の「脱水」があります。根がない状態では水を吸えませんが、葉からは常に水分が蒸発しています。このバランスが崩れると、発根する前に干からびてしまいます。そこで、密閉空間を作って湿度を飽和状態近くまで高めることで、葉からの蒸散を抑え、植物の体力を温存させるのです。

ペットボトルを再利用して作られた、金のなる木の密閉挿し用の簡易温室。

簡易温室(密閉挿し容器)の作り方

  1. 2リットルの角型ペットボトル(透明なもの)を用意し、底から15cmくらいの高さで横にカットして上下に分けます。
  2. 下半分を鉢として使い、湿らせた清潔な土(バーミキュライトや赤玉土など)や水苔を入れ、挿し穂をセットします。
  3. 上半分を蓋のように被せます。切り口をライターなどで軽く炙って少し内側に曲げると、カポッときれいに嵌まります。

【重要】管理の注意点:
完全に密閉したまま直射日光に当てると、内部の温度が急上昇し、植物が「蒸し焼き」になって枯れてしまいます。必ず直射日光の当たらない明るい日陰に置いてください。また、高湿度はカビの温床にもなりやすいので、数日に一度は蓋を開けて空気を入れ替えてあげましょう。カビが発生していないかチェックするのも大切です。

葉挿しで増やす方法と失敗しないコツ


土の上に置かれた金のなる木の葉から、小さな根と新しい芽が出てきている葉挿しの様子。
枝を切るのはちょっとハードルが高い、あるいは植え替えの時にポロっと葉が取れてしまった、という場合には「葉挿し(はざし)」が手軽でおすすめです。金のなる木は生命力が強く、葉っぱ一枚からでも完全な個体を再生する能力を持っています。

葉挿しの手順

やり方は驚くほどシンプルです。乾いた土の上に、葉を仰向け(表を上)にして寝かせておくだけです。土に埋める必要すらありません。

ただし、成功させるためには重要な条件が一つあります。それは、「葉の付け根(成長点)」が完全に残っていることです。葉を無理やりちぎって途中で切れてしまったり、付け根が潰れてしまったりした葉からは、残念ながら根も芽も出てきません。葉を採取する際は、茎に対して葉を左右に優しく揺らしながら、ポロリときれいに外すのがコツです。

水やりは必要?

最初のうちは水やりも不要です。根が出てくるまでは、葉自体に蓄えられた水分と養分を使って生きていきます。直射日光の当たらない明るい場所に置いておくと、早ければ2週間〜1ヶ月ほどで、葉の付け根からピンク色の小さな根と、ミニチュアのような可愛い芽が出てきます。

根が出てきたら、根元に少し土をかけてあげて、霧吹きで土の表面を湿らせる程度に水やりを開始しましょう。元の葉(親葉)は、新しい芽に栄養を渡しきると自然に枯れて取れるので、それまでは無理に取らずにつけておいてください。

水挿しで簡単に発根させる手順と水位の目安

土を使わず、もっと手軽に、そして清潔に発根させたいなら「水挿し」が一番です。ガラス瓶やコップに水を入れて挿しておくだけですが、ここにも成功率を左右する重要なコツがあります。

最適な「水位」とは?

最も大切なのは「水位」のコントロールです。枝をドボンと深く沈めてしまうと、水中の酸素濃度が低い深い部分では茎が呼吸できず、腐りやすくなります(根腐れの原因)。

理想的な水位は、切り口が水面すれすれ、あるいは数ミリ〜1cm程度浸かるくらいです。水面付近は空気に触れているため酸素が溶け込みやすく、発根に必要な酸素を効率よく取り込める「特等席」なのです。

透明なガラス容器で水挿しにされている金のなる木。切り口が水面すれすれになる理想的な水位。

水管理と発根促進

水はこまめに替えましょう。特に挿してからの最初の1週間は、切り口から植物の有機成分が溶け出して水が傷みやすいので、2~3日に1回(夏場は毎日)は交換してください。水が腐ると、当然茎も腐ります。
また、発根をより確実にするために、市販の活力剤(「メネデール」など)を規定量(通常100倍)に薄めて水に混ぜるのも非常に効果的です。これは肥料ではなく、発根に必要な鉄分などのミネラルを補給するサプリメントのような役割を果たします。

栽培方法 メリット デメリット 難易度
土挿し そのまま定植できる。株が安定しやすい。 発根したかどうかが目に見えない。 ★★☆
水挿し 発根の様子が見えて楽しい。清潔。 水替えの手間がある。土への移行が少し難しい。 ★☆☆
密閉挿し 湿度が保たれ、発根成功率が高い。 温度管理に注意が必要(蒸れやすい)。容器作成の手間。 ★★☆

金のなる木の挿し木から水栽培への移行と管理

無事に根が出たら、そのまま水栽培(水耕栽培・ハイドロカルチャー)で育て続けることも可能です。土を使わないので虫が湧きにくく、キッチンやデスク周りにも清潔に置けるのが魅力ですよね。ガラス容器なら、涼しげなインテリアとしても楽しめます。ここでは、長く健康に育てるための管理方法や、トラブル対処法、そして将来的に土へ戻す際のテクニックについて深掘りしていきます。

ハイドロカルチャーへ植え替える際の用土選び

水だけの栽培(水耕栽培)も素敵ですが、植物の株を安定させ、よりインテリア性を高めるなら「ハイドロカルチャー」への移行がおすすめです。これは土の代わりに、人工的な培地を使って育てる方法です。

おすすめの培地

最もポピュラーなのが「ハイドロボール(発泡煉石)」です。粘土を高温で焼いたもので、多孔質(小さな穴がたくさんある構造)のため空気を含みやすく、根に酸素を供給しやすいのが特徴です。洗って繰り返し使えるのもエコで良いですね。他にも、カラフルな「ゼオライト」や「ジェルボール」などもありますが、通気性と管理のしやすさではハイドロボールが一番初心者向けです。

根腐れ防止剤の活用

ハイドロカルチャーの容器は底に穴がないため、水が溜まりっぱなしになります。そこで必須なのが「根腐れ防止剤」です。「ゼオライト」や「珪酸塩白土(ミリオンAなど)」と呼ばれるもので、これらを容器の底に薄く敷いておくと、水を浄化し、根から出る老廃物を吸着して水質悪化を防いでくれます。

発根した金のなる木を、ハイドロボールを入れたガラス容器に植え替えている様子。

植え付けのポイントと水位

植え付ける際は、まず容器の底に根腐れ防止剤を敷き、その上に洗ったハイドロボールを少し入れます。苗を配置し、周りにハイドロボールを入れて固定します。
そして、水位は容器の高さの1/5から1/4程度に留めるのが鉄則です。決して根の全部を水没させてはいけません。根の下半分が水を吸い、上半分は空気に触れて呼吸できる「スペース」を残してあげることが、根腐れさせない最大のコツです。

根腐れした時のオキシドールを使った復活術

水栽培で一番の敵であり、最大の失敗原因はやはり「根腐れ」です。水が白く濁ったり、藻が発生したり、根が黒ずんで溶けたようになり、ドブのような嫌な臭いがしたら危険信号です。これは、水中の酸素が欠乏し、嫌気性菌(酸素を嫌う腐敗菌)が増殖している状態です。

そんな緊急事態に役立つ裏技が、なんと家庭用の消毒液「オキシドール」です。オキシドール(過酸化水素水)は、分解されるときに強力な酸化力を持つ酸素を放出します。この性質を利用して、原因菌を殺菌すると同時に、酸欠状態の根に酸素を強制供給するという、まさに一石二鳥の効果を発揮するのです。

オキシドール処置の具体的な手順

  1. 外科処置: まず株を取り出し、ヌルヌルして黒くなった腐敗根はすべて清潔なハサミで切り落とします。腐った部分を残すと再発するので、心を鬼にして切ってください。
  2. 洗浄・浸漬: 水1リットルに対してオキシドール30ml程度(約30倍希釈、濃度約0.1%)を混ぜた水を用意し、根を洗浄、または数分間浸します。シュワシュワと泡が出れば、酸素が発生し殺菌作用が働いている証拠です。
  3. 乾燥: 処置後はすぐに水に戻さず、日陰で数日間乾燥させて切り口を癒合させます。
  4. 再開: 新しい清潔な水(またはハイドロボール)で管理を再開します。

「え、植物に消毒液?」と驚くかもしれませんが、海外のガーデナーの間では「Hydrogen Peroxide for Root Rot」として知られる一般的なテクニックです。ただし、濃度が濃すぎると健全な根まで傷めてしまうので、まずは薄めから試してみてくださいね。

水栽培での肥料の与え方と液肥の頻度

水やハイドロボールそのものには、植物が育つための栄養分がほとんど含まれていません。そのため、健全に成長させるには外部からの肥料補給が必須です。

専用肥料を使う理由

ここで注意したいのが、必ず「水耕栽培用」の液体肥料を使うということです(「ハイポネックス微粉」や「ハイポニカ」など)。土用の肥料は、土の中の微生物によって分解されて初めて吸収される成分が含まれていることが多く、微生物のいない水栽培では成分が分解されず、水質汚染や根腐れの原因になることがあります。水耕栽培用肥料は、植物がそのまま吸収できるイオンの形で栄養が含まれています。

頻度とタイミング

肥料を与える時期は、成長期である春(4〜6月)と秋(9〜11月)です。規定の倍率(1000倍〜2000倍など)に薄めた培養液を、月に1〜2回、水替えのタイミングで与えます。
逆に、成長が鈍る夏と冬は、肥料を一切与えません(ストップします)。植物が吸収しきれない肥料分が水中に残ると、濃度障害を起こして根を傷める「肥料焼け」の原因になります。

土への植え替え時期と環境に慣らす順化方法

水栽培で大きく育った株を、「やっぱり大きくしたいから土に植え替えたい」と思うこともありますよね。しかし、この「水から土へ」の移行は、植物にとって環境が激変する非常に大きなストレスになります。失敗すると、せっかく育った根が枯れてしまうことも。

水根と土根の違い

実は、水中で育った根(水根)と、土の中で育つ根(土根)は、見た目も機能も異なります。水根は水中の酸素を取り込むのに特化しており、乾燥や物理的な摩擦にとても弱いのです。いきなり乾いた土に植えると、水根はすぐに干からびてしまいます。

順化(じゅんか)のプロセス

成功の鍵は、徐々に環境に慣らす「順化」というプロセスです。

  1. 用土選び: 水はけの良い「多肉植物用の土」を使います。水根は脆いので、優しく植え付けます。
  2. 水やり(重要): 通常の多肉植物の植え替えでは「数日水をやらない」のがセオリーですが、水栽培からの移行時は例外です。植え付け直後から軽く土を湿らせて、根を乾燥から守ります。その後、徐々に水やりの間隔を空けていき、通常の「土が乾いたら水やり」というサイクルに数週間かけて移行します。
  3. 置き場所: 最初の1週間ほどは、直射日光の当たらない明るい日陰で養生させてあげましょう。

室内で徒長させずに健康に育てる置き場所

室内で観葉植物を育てる際、多くの栽培者が直面する最大の悩みが「徒長(とちょう)」です。徒長とは、植物が日照不足を感じて「もっと光を浴びなければ!」と必死になり、茎をひょろひょろと細長く伸ばしてしまう現象のことです。この状態になると、葉と葉の間隔(節間)が間延びしてスカスカになり、見た目が悪くなるだけでなく、株全体が虚弱体質になり、病害虫への抵抗力も著しく低下してしまいます。

日照不足で徒長したひょろひょろの金のなる木(左)と、十分な日光で健康に育ったがっしりした株(右)の比較。
特に水栽培やハイドロカルチャーの場合、土栽培に比べて光合成によるエネルギー生産が不足しがちになるため、徒長のリスクがさらに高まります。ここでは、室内で金のなる木を美しく、健康に保つための「置き場所」と「光の管理術」について詳しく解説します。

1. 理想的な置き場所の条件

金のなる木は、もともと南アフリカの乾燥地帯で強い日差しを浴びて育つ植物です。したがって、室内であっても「可能な限り日当たりの良い場所」を確保することが鉄則です。

  • ベストポジション: 南向き、または東向きの窓辺。午前中の柔らかい光がたっぷりと入る場所が最適です。
  • NGな場所: トイレや洗面所などの窓がない閉鎖的な空間、エアコンの風が直接当たる場所、昼夜の温度差が激しすぎる玄関など。これらの場所は光合成ができず、乾燥ストレスも強いため、植物が衰弱します。

季節ごとの光の微調整

「日当たりが良い場所」と言っても、季節によって太陽の強さは異なります。

春・秋・冬: ガラス越しの日光をたっぷりと当ててOKです。特に冬は日照時間が短いので、最大限に光を取り込みましょう。

夏: 真夏の直射日光は強烈すぎます。ガラス越しでもレンズ効果で高温になり、「葉焼け(葉の火傷)」や水温上昇による「根腐れ」を引き起こします。レースのカーテン越しにするか、窓から少し離して管理してください。

2. 「屈光性」を防ぐローテーション管理

窓辺に置いていると、植物の茎が窓の方角に向かってぐにゃりと曲がってしまうことがあります。これは「屈光性(くっこうせい)」と呼ばれる植物の生理現象で、より強い光を求めて成長ホルモン(オーキシン)が偏ることで起こります。

一度曲がって硬化してしまった茎を真っ直ぐに戻すのは困難です。きれいな樹形をキープするためには、「鉢回し(ローテーション)」を行いましょう。週に1回程度、鉢をくるっと180度(または90度ずつ)回転させ、全方向からまんべんなく光が当たるように調整します。これにより、茎が真っ直ぐ上に伸び、葉の茂り方も均一になります。

3. 日光が確保できない場合の対策

「うちは北向きの部屋だし、どうしても日当たりが悪い…」という場合でも諦める必要はありません。近年普及している「植物育成用LEDライト」を活用するのが有効です。

通常のルームライトとは異なり、光合成に必要な波長の光を照射できるため、太陽光の代わりとして十分に機能します。デスクの上や棚の中など、日光が届かない場所でも、LEDライトを毎日8時間〜12時間程度照射することで、徒長を防ぎ、ガッシリとした健康的な株に育てることが可能です。インテリアとしてもおしゃれな製品が増えているので、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

金のなる木を挿し木や水栽培で長く楽しむ秘訣

ここまで、金のなる木(カネノナルキ)を挿し木で増やし、水栽培で美しく育てるための様々なテクニックをご紹介してきました。この植物は、南アフリカの過酷な環境に適応して進化した、非常に強健で生命力溢れる種です。適切な管理さえ行えば、数年どころか数十年にもわたって成長を続け、親から子、子から孫へと受け継がれていくほどの長寿なパートナーとなります。

水栽培やハイドロカルチャーというスタイルは、土を使わないため虫が発生しにくく、リビングやキッチン、オフィスのデスク周りなど、生活のあらゆるシーンに清潔な緑を取り入れることができる素晴らしい栽培方法です。透明な容器の中で白く美しい根が伸びていく様子を観察できるのも、水栽培ならではの醍醐味と言えるでしょう。

植物からのサインを見逃さない「観察眼」

長く健全に楽しむための最大の秘訣は、特別な肥料や高価な道具ではなく、日々の「観察」にあります。植物は言葉を話せませんが、その代わりに葉や根の状態で必死にメッセージを送っています。その小さなサイン(SOS)をいち早くキャッチできるかどうかが、栽培の成否を分けます。

観察ポイント 考えられる原因とメッセージ
葉がシワシワになる 「水が足りないよ(水不足)」、または「根腐れして水が吸えないよ(過湿)」のサイン。水位と根の状態を確認しましょう。
茎がひょろひょろ伸びる 「光が足りないよ(徒長)」のサイン。もっと明るい場所へ移動させてください。
根に白いフワフワがつく 水中で揺らぐ繊細な毛なら、それは酸素を取り込むための「根毛(こんもう)」という健全な器官です。逆に、ドロっとして塊状になっているなら「水カビ」の可能性が高いため、洗浄が必要です。この見極めが重要です。
葉が赤くなる 秋〜冬にかけての変色は「紅葉」であり、正常な反応です。ただし、夏場の赤変は高温ストレスの可能性があります。

「待つこと」も大切な世話の一つ

私たち人間は、可愛さのあまりついつい手をかけすぎてしまいがちです。「もっと大きくなってほしい」と頻繁に肥料をあげたり、「喉が渇いているかも」と毎日水を替えすぎたり…。しかし、金のなる木のような多肉植物にとって、過剰なケアはかえってストレスになることがあります。

時には「何もしないで見守る」「土が乾くまでじっと待つ」という我慢も、植物を強く育てるための立派な愛情です。季節のリズムに寄り添い、メリハリのある管理を心がけることで、金のなる木はあなたの期待に応え、素晴らしい生命力を見せてくれるはずです。

ぜひ、今回ご紹介した挿し木や水栽培の知識を活用して、あなただけの「金のなる木」を増やし、緑のある豊かな生活を楽しんでくださいね。小さな一枝から始まった命が、やがて立派な大株へと育っていく喜びは、何物にも代えがたい経験となるでしょう。

(出典:農林水産省『病害虫防除に関する情報』)

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